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フランス人はいつもクロワッサンを食べる?

当社でLIPを取扱い始める前、殆どフランスに滞在したことがないのに、フランス人はいつもクロワッサンを食べている、というイメージがあった。

フランスと言えば、ブルゴーニュやボルドーといった世界的に知られるワイン産地や、ミシュランの格付けに代表されるような、「美食の国」としても有名。東京・羽田空港からおおよそ12時間飛行機に乗り、シャルル・ド・ゴール空港(CDG空港)でロストバゲッジ(預けた荷物がどこかへ行ってしまうこと)することなく荷物を引き取る。空港からタクシーでパリ市内へ向かう道中は運転手が流すラジオの心地よいが全く分からないフランス語に耳を傾け、ホテルに着いたら何を食べようかと考える。

ちなみに日本からパリへのANA直行便は、大体16時頃に現地のCDG空港に着く。空港からパリ市内のタクシーは概ね一律レートで€50で、ほとんどのタクシーがクレジットカードを受け付けてくれる。

1時間ほどでホテルに着き、チェックインを終えて荷解きをすると、あっという間に18時近くなる。LIP社の担当曰く「フランス人の夕食は大体20時頃」らしい。
フランスは法律で労働時間の原則が「週35時間」と定められていて、医師や弁護士、管理職などを除きほとんどの人や企業がこれに準ずる。以前は日本と同じく長時間労働が当たり前だったそうだが、いまでは労働時間に合わせて効率を求めるのが当たり前になったようで、その証拠にフランスの労働生産性はOECD加盟国の中で7位と高い。近隣国のドイツが12位、フィンランドが15位で、日本は22位と、その差は歴然としている。

なぜ夕食が20時頃になるかというと、一般的にだいたい朝の8時や9時から働き始め、夕方16時や17時で仕事を終える彼らは、帰宅前や帰宅した後に友人や家族と公園やカフェなどで思いおもいに時間を過ごす。フランスではビストロは軽食はあるものの、メインは軽くお酒を飲むところ、という位置付けで、その後にきちんと食事を楽しむブラッサリーもしくはレストランへと店を変える。なので、特に日照時間の長い季節は極力外で過ごし(セーヌ川のほとりは、まるで亀が甲羅を焼くように大勢が並ぶような感じになる)、日が暮れる頃に店に入ると既に20時近くなっているというわけだ。なので、カフェやビストロなどのお店の外に椅子とテーブルが並んでいるのは出来るだけ日光を楽しみたい、という気持ちの表れかもしれない。

LIP社の人もそうだが、フランス人が良く飲むお酒はシャンペンかワイン。美味しいシャンペンやワインがあるのに、敢えてビールやカクテルなどを飲むのは野暮らしい。ハムやチーズなどの前菜を少しつまみ、メインやデザートを頼んでゆっくり色々な話をする。ディナーが終わるのは22時や23時になる。だが、フランス人は食事の時間を非常に大切にする(イタリア人もそうらしい)ので、仮に急いていても食事中はそんな顔をつゆも見せない。食事だけでなく、ゲストや友人、家族との会話と時間をゆっくり楽しむのが流儀のようだ。
出張で来ている身としては、着いた日に深夜0時頃まで起きていることでゆっくり寝られるので、時差ボケを緩和することができる。

そして本題の「フランス人はいつもクロワッサンを食べる?」を確認するために朝食へと出掛ける。夏時間のパリは朝7時頃でもほぼ真っ暗で、8時頃になってようやく空が白み始めるような感じだ。前夜繁盛していた店も、朝のシフトの人たちが営業を始める。

多くの店はセットメニューがあり、価格は€10程度。その内容は、@オレンジジュースかお茶かホットチョコ Aクロワッサンかトースト Bコーヒーといった感じが多い。だが、店に入ってくるフランス人でこのメニューを頼む人はあまりいなく、多くの人はコーヒー1杯、ないしはそれにパン・オ・ショコラ(チョコレート入りの菓子パン)を1つ加える程度で済ませている。要は自宅でご飯を済ませ、仕事始めの前にコーヒーを飲む人が多いということだそう。

肝心のクロワッサンだが、バターを多く使っているのでカロリーが高く、一般的にフランス人は週に数回食べればいい方。基本的にはお店で買うものだそうで(その方が美味しい)、特に有名パン屋(ブーランジェリー)のクロワッサンを買い付けている店はそれを売りにしていることが多い。毎日クロワッサンやパン・オ・ショコラを食べているとそれだけで太ってしまうので、体型管理の面でも美意識の高いフランス人は「クロワッサンが好きだけど控えてる」というのが現実のようだ。ちなみに、小麦選びから生地作り、そして焼き上げまでを自分たちで行うブーランジェリーで売っているクロワッサンの価格は、だいたい1個€1〜2程度(日本円で約200〜300円程度)。本場フランスのクロワッサンは、皮がパリパリで中のバターが少ししっとりしていて得も言われぬ美味しさ。なので、一度本場を味わってしまうとなかなか日本で食べられなくなってしまう。

最後に、フランスでコーヒーといえばエスプレッソのような小さいカップで提供されるのが常。なので日本人になじみの深い、いわゆるコーヒーは「コーヒー・ロング」、と言わなければ出てこないのでご注意を。